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2024年6月1日
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ヴェルディの情熱を音に乗せて
今日から,オペラの練習が始まった。 La Traviata“第1幕序奏のストレッタ“とOtello“第1幕Fuoco di gioia !”である。 実は、OtelloのFuoco di gioiaは前から一度は歌ってみたい曲のひとつでもあり,今回の練習をとても楽しみにしていた。 Otelloのあらすじは,皆さんもご存知の通り,ヤーゴ(オテロの旗手)の奸計により,最愛の妻デズデモナに不義の疑いを抱いたオテロが、自ら、デズデモナを殺してしまい,最後は自ら命を絶ってしまうという悲劇である。 ヴェルディがこのオペラを作曲したのは,なんと彼が72歳の時であり,この,情念渦まく人間ドラマをこの年で作り上げたというのは、やはり,彼が天才であるが故であるのと同時に、また、恋多き情熱的な男であったということも作曲の原動力になったのではないだろうか。 この“Fuoco di gioia !”は、第1幕の冒頭、オテロ率いるヴェネツィア艦隊が吹き荒れる嵐の中、トルコ艦隊を打ち破り、無事、帰還した兵士たちが居酒屋でテーブルを囲み陽気に、情熱的に歌うという場面。しかし、その裏では、オテロに恨みを持ったヤーゴの陰謀が進行している・・・。 今日の練習では、こんなオペラの一場面を想像しながら、ヴェルディに比べたら、若くて未熟な自分が、この人間の情念渦巻く、かつ、情熱的な曲を歌いきれるだろうかと言うことが、頭の中を駆け巡っていた。 もし、今の自分の年齢で、陽ちゃん先生の指揮でこのオペラを歌ったとしたら、自分の中で眠っていた、忘れかけていた情熱を音に乗せて引き出してくれるのではないかと思った。 練習の最後に、マエストロが「私が責任を持ってこの曲を仕上げます。」と言った一言に、福永先生の影を見たのは私だけであったろうか。
Bass K.K.
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